6月26日、第19回 アジア競技大会(9月/中国・杭州)に出場する侍ジャパン社会人代表の選考合宿3日目が千葉県柏市のJR東日本野球部柏野球場で行われた。
2日目に続き内川義久ヘッドコーチ指導のもとで練習開始早々から特打が行われ、この日は佐藤竜彦(Honda)、笹川晃平(東京ガス)、向山基生(NTT東日本)、矢野幸耶(三菱重工East)が参加。特に佐藤は高い放物線を描く打球で柵越えを連発して周囲から感嘆の声が漏れた。
この日も個人練習中心で各々が課題を持って取り組み、フリー打撃やブルペンでの投球に加え、天然芝の上でのゴロ捕球など国際大会を想定した練習も行われた。そして最後は参加選手全員とスタッフによるミーティングが行われ、午前中で合宿を打ち上げた。
石井章夫監督は3日間の合宿を振り返り「やるべきことができました」と充実の表情で振り返った。選考合宿開始時に選手たちには「周囲に気を遣って遠慮するよりも、周囲が近寄れないくらい集中してやっていい」と伝えていたといい、「2日目からそれができてきましたね」と評価した。
今回招集した元メジャーリーガー右腕の田澤純一(ENEOS)については「影響力がすごくありましたね」とし、トレーニングやコンディショニングなど野球に取り組む姿勢は多くの選手が感心を持っていました」と狙い通りの効果があったことを明かした。
この後の選考の過程については、7月に開催される都市対抗野球大会で最後の絞り込みを行い、アジア競技大会を戦う24名を決定する予定だという。
選考で重視することを問うと「直近の大会のみの成績とか現時点での調子では選びません。これまでの国際大会の経験やここ2年の国内大会の成績、計測したデータ、あとは情熱があるかなどといった部分でコーチ陣とも話し合いながら決めていきたいです」と答えた。
また、24名を選考した後は8月中旬の強化合宿で2試合を組み実戦の中で結束を高め、9月下旬の直前合宿で調整していき、中国に飛び立つ予定だという。
アジア競技大会での目標は、プロ選手が参加する韓国やチャイニーズ・タイペイを破っての金メダル獲得だ。最後のミーティングでは「レベルの高い両チームに近づいてきたと伝えました。当初感じた力の差は埋まってきたので、自信を持っていこうぜという話をしました」と、選手たちに発破をかけたという。
集大成となる大舞台まで残り3か月。悲願達成に向けて順調に邁進していることが分かる充実の3日間となった。
選手コメント
佐竹功年(トヨタ自動車)
「これまで代表でプレーしてきた選手に加え、昨年のU-23代表だった選手も入ってきて、いろんな会話ができましたし、自分の経験も伝えることができました。アジア大会は2014年の仁川大会、18年のジャカルタ大会で力の差を感じましたが、社会人代表のレベルも上がり投手の球も速くなっています。アマチュア野球がまだまだやれるんだということを示せる良い機会なのでメダルを獲りたいです」
嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)
「若い投手も増えて様々なコミュニケーションを取ることができました。合宿は引き出しが増えるありがたい機会で、参加するたびに新鮮な気持ちになりますね。プロ野球に行けなかったので、ここからは社会人野球のレベルが上がって盛り上がっていけるように、恩返ししていきたいと思っています」
片山楽生(NTT東日本)
「他の投手とのレベルの差を感じました。キャッチボールから質の良い球を投げている投手が多く、感化されたことが多かったです。クオリティーコントロールの島孝明さんとは、測定のデータを見ながら、ストレートの良い部分や変化球での課題などを教えてもらいました。今年はチームで結果を残せていないので、今回学んだことも生かし、足元から見つめ直していきます」
中村迅(NTT東日本)
「短い時間でしたが成長に繋がる時間でした。良い打者がたくさんいたので、話したり見たりして、たくさんのことが学べました。その中で打球を飛ばす力は課題だと思いました。(昨年U-23代表で主将を務め)社会人代表でまた侍ジャパンに入りたいという気持ちです」
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス