12月2日、「第30回 BFA アジア選手権」(12月3日から10日まで台湾・台北、台中)に出場する侍ジャパン社会人代表の練習が新北市立新荘野球場で行われた(同代表の初戦は12月4日)。
朝9時から3時間ほど行われた現地での2日目の練習。前日の初練習時と比べると寒さはいくぶん落ち着き、日が出てきた後半は暖かさもあった。そんな環境の中で、投手・内野手での牽制時のサインプレーの確認、ブルペンでの投球、ロングティー、フリー打撃(グラウンドコンディションの影響で室内)、個別ノック、走塁練習などが行われた。
選手たちの動きについて川口朋保監督は「気温の関係もあってか、今日はダイナミックな動きをしてくれましたし、課題を各自で持って取り組んでくれました」と評価した。
投手陣については今夏の都市対抗で最優秀選手賞にあたる橋戸賞を受賞した嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)ら多くの投手がブルペン入り。中でも嘉陽について川口監督は「投手の中心となる嘉陽が引っ張ってくれていますし、球を見ても順調に来ていると思います」と、大黒柱の期待通りの調整ぶりに手応えを感じているようだった。
野手陣には、石井章夫前監督時代から明確な課題として挙げていた打力強化を求めていく方針は変わらない。「今年のアジア競技大会(3位)でも韓国やチャイニーズ・タイペイの投手を打たないと勝てないということは分かったと思いますし、伝えてもらっています」と川口監督は明かし、ロングティーで体を使って強い球を打つ練習をする選手が増えていることなどに、方針の浸透を感じたという。
また、石井監督時代から引き続いてシートノックもしない方針だ。その意図については「グラウンドの確認は打撃練習の40分間でできますし、試合に集中して欲しいからです」と語る。川口監督自身も現役時代は内野手であり「試合前に汗だくになって準備するのは大変だったので、試合に集中する環境を作ろうという石井監督の方針には賛同でした」と自身の経験も踏まえて継続していくという。
初戦(4日のパキスタン戦)前日となる3日は、オープニングラウンドとスーパーラウンドおよび順位決定戦の試合会場となる台北ドームで公式練習が予定されている。3日夜のチャイニーズ・タイペイ対韓国の試合が、こけら落としとなる新球場だけに、川口監督は「人工芝やアンツーカー、マウンドの硬さや高さをチェックしたいと思います。あとは天井の色も確認しないといけませんね」と余念の無い準備をしていくという。
選手の状態も日に日に上がる中で、本番を想定した練習で最善の準備が続いている。
選手コメント
嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)
「メンバーも若返って僕が投手陣最年長になるのですが、責任を持って経験を伝えていけたらと思います。トヨタでもそうですがコミュニケーションはとても大事で、積極的に話しかけて若い選手が気楽に話せる環境を作ろうと思っています。侍ジャパンのチーム力はあるので、個々でも持ち味を最大限出して勝負していくことが大切です。明日はグラウンドの環境を確認して、投げている姿をイメージして公式練習に臨みたいです」
中川拓紀(Honda鈴鹿)
「今回は同世代の選手も多く、楽しくできています。(U-23ワールドカップやアジア競技大会に続いて選出され)経験している選手たちで引っ張っていかないといけないと感じています。アジア競技大会では1番を任せられながらも長打でチャンスを作ることができなかったので、長打力が課題。コンタクト率が大事なので構えをやや落として素直にバットが出てくるように練習しています。アジア競技大会は3位という悔しい結果だったのでリベンジしたいです」
第30回 BFA アジア選手権
大会期間
2023年12月3日~12月10日
オープニングラウンド(グループB)
12月4日(月)19:30 日本 14 - 0 パキスタン
12月5日(火)19:30 タイ 0 - 16 日本
12月6日(水)19:30 日本 9 - 1 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
12月8日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 1 日本
12月9日(土)13:30 日本 5 - 2 韓国
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
12月10日(日)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北・台中)
出場する国と地域
グループA
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、パレスチナ
グループB
日本、フィリピン、パキスタン、タイ