3月7日から始まる「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)に臨むジャパンの嶋基宏(東北楽天)が4日午前、大阪市内のホテルで会見を開き、本大会の出場を辞退することを発表した。代役には炭谷銀仁朗(埼玉西武)が召集され、背番号は9に決まった。
「出るからには100%、120%で出ないと…」
苦渋の決断だった。会見場にスーツ姿で登場した嶋は、口を真一文字に結び、無念の表情で言葉を絞り出した。
「一番は、やはり悔しいです。出るからには100%、120%で出ないと、代表にも応援してくださるファンの方々にも迷惑がかかる。正直、今の身体の状態ではそのパフォーマンスができないと、自分で判断してこういう決断になりました」
小久保ジャパン発足後、類まれなリーダーシップを発揮し、今回の第4回WBCでも最年長捕手として活躍が期待されていた嶋だったが、今年2月の楽天でのキャンプ中に下半身の張り、右ふくらはぎに痛みを訴えて以降、別メニュー調整。小久保裕紀監督、チームトレーナーとも相談しながら「行けるところまでやってみよう。トライしてみよう」と回復することを信じてチームに合流していたが、「全力で咄嗟の動きができない。1試合もゲームに出ないで本大会に出るということはあり得ない。誰も納得できない」と決断。前夜には自ら代役招集が決まった炭谷に「大会寸前で申し訳ない」と連絡し、この日は報道陣の前で改めて頭を下げた。
とにかく一生懸命応援したい
本番まで残り3日、強化試合1試合を残した段階での緊急事態となったが、代役の炭谷は前回WBCやプレミア12を経験し、昨年3月の強化試合にも召集されるなど経験は豊富。また、チームには大野奨太(北海道日本ハム)、小林誠司(読売)の2人の捕手もいる。
嶋は「若いピッチャーが多いですし、どうしてもバッテリーが大事になってくる。特に大野は僕の2つ下なので、任せたぞ、と話しをした」と明かすとともに、「選手一人一人のワンプレーワンプレー、1球1球に日本国民の全員が注目していると思います、僕もそのうちの一人。とにかく一生懸命応援したい」とエールを送った。
チームはこの日、大阪府内のグラウンドで一部選手のみが練習を実施。明日5日にオリックスとの強化試合(19時、京セラドーム大阪)を行い、帰京後の7日にWBCの1次ラウンド初戦・キューバ戦(19時、東京ドーム)に向かう。
小久保裕紀監督
「嶋は侍ジャパントップチームの精神的支柱として、世界一奪還を実現するために共に戦ってきてくれた。このタイミングでの辞退は本人が一番悔しい思いをしている。嶋の想いも背負い、チームが結束して本大会に臨みたい。炭谷のWBCやプレミア12などの国際大会を戦い抜いた豊富な経験に期待している」
2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™
大会日程
1次ラウンド
プールB
2017年3月7日(火)~11日(土)
2017年3月7日(火)19:00 日本 11-6 キューバ
2017年3月8日(水)19:00 オーストラリア 1-4 日本
2017年3月10日(金)19:00 日本 7-1 中国
2次ラウンド
プールE
2017年3月12日(日)19:00 オランダ 6-8 日本
2017年3月14日(火)19:00 日本 8-5 キューバ
2017年3月15日(水)19:00 日本 8-3 イスラエル
決勝ラウンド
準決勝
2017年3月21日(火)18:00(日本時間22日10:00)日本 1-2 アメリカ
決勝
2017年3月22日(水)18:00(日本時間23日10:00)プエルトリコ 0-8 アメリカ
会場
高尺スカイドーム
東京ドーム
マーリンズパーク
エスタディオ・チャロス
ペトコ・パーク
ドジャー・スタジアム
公式サイト
練習試合
3月18日13:05(日本時間19日5:05)シカゴ・カブス 6-4 日本
3月19日13:05(日本時間20日5:05)ロサンゼルス・ドジャース 3x-2 日本