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第4回 WBSC U-12ワールドカップに向け東日本トライアウトを開催

2017年4月22日

 今年7月28日(金)~8月6日(日)の日程で台湾・台南市で開催される「第4回 WBSC U-12ワールドカップ」。同大会で初の世界一獲得を目指す侍ジャパンU-12代表選手18名を選考するための東日本トライアウトが、4月22日に神奈川県内のグラウンドで開かれた。

 グラウンドには前回大会に引き続き、侍ジャパンU-12監督に就任した仁志敏久氏に加え、今大会で新たに就任した、江尻慎太郎投手コーチ、岑和幸コーチ、孫山昇太郎コーチ。そしてリトルリーグ、ボーイズリーグ、ヤングリーグ、ポニーリーグの各団体から推薦されたトライアウト生31名が集結。

 まずは準備運動とキャッチボールに続き、「昨年の第9回BFAU-12アジア選手権で侍ジャパンU-12代表選考合宿でもフィジカルテストを開催した際、マーカーを触るテストで成績が良い選手は内野守備が上手く、データが直結するところがあった。ですから今回も選手選考のためと、データを蓄積して今後に役立てるための両面から実施した」(仁志監督)重いメディシンボールを左右、及び後ろ向きで放り投げてパワーを測定、さらに10mと30mの距離を変えたダッシュで走力を計測するフィジカルテストからスタート。

 続いては内野手の適正を見るために、地面に置かれたマーカーを指定された順に触っていくテスト。外野手の適正を見るため、大飛球を想定して体の向きを変えながら背走するテスト。さらに二塁手・三塁手・遊撃手とポジションを変えながらの内野ノックも行われた。

 その後はキャッチャー陣の二塁へのスローイングと、全員でのベースランニングのタイムを計測。ブルペンでは投手陣がピッチング練習。ここでは「12歳以下の選手を指導するにあたって、彼の当たりの柔らかさや明るさがマッチするのではないかと思った」仁志監督の期待を担った江尻投手コーチも日本ハム・横浜DeNA・福岡ソフトバンクでセットアッパーとして活躍した経験を活かし、立ち投げで5~6球ほど投げた後、キャッチャーを座らせて10球ほど全力投球。加えてセットポジションやクイック、さらに得意な変化球も自己申告し、スピードガンで球速も図る中で投球した投手たちの様子を凝視。

「緊張していた選手が多かったが、ワールドカップの試合ではこのくらい緊張感があるのが普通なので、今日、味わった気持ちを忘れずに普段から練習をしてほしい」と感想を交えつつ、「少ない球数のなかで結果を出すために準備ができていたか。周囲を見て、自分が何をするべきか分かっている選手は今後の成長も早いので注目していました」と評価のポイントを述べた。

 昼食後のバッティング練習では、仁志監督と江尻投手コーチがバッティングピッチャーを務め、実際に代表候補選手と対峙して実力を確認。仁志監督は「この年代はまだ体が出来上がっていないので、硬式で野球をやるには体が追いついていないところがあります。だから、バッティングではスイングしても体がよろけていないかどうかを重点的に見て、体の芯が強い選手を評価しました」と話した。

 そして全員がバッティングを終え、ダウンをしたところでトライアウトは終了。ミーティングでは各コーチからの言葉があり、江尻投手コーチは「12歳以下と言っても、6年後には全国の選手とプロを目指した戦いをすることになります。時間は短いので、一球一球を大切にプレーしてほしい」。仁志監督は「代表に選ばれる選手と選ばれない選手が出てくるが、選ばれなかったとしても、このトライアウトに参加しているということは良い選手だということなので、さらに良い選手を目指して頑張ってください。そして、選ばれた選手は、日々の生活から代表選手に相応しい振る舞いをしてほしい」と語りかけている。

 トライアウト後、仁志監督は前回の反省も踏まえ、最後に大会への意気込みをこう語った。「前回は決勝リーグには進出しましたが、他国のカベは高く、結果は6位と振るいませんでした。もちろん、優勝したいと思っていますが、簡単ではないことも分かっているので、代表に決まった選手たちと一緒になって頑張っていきたいです。そして、たとえチームに爆発的な力はなくても、日本は指導者の教えもあって小学生の頃からチームのためのプレーができますから、守備面では取れるアウトをしっかりと取り、打撃面ではある程度のミート力さえあれば戦えると思います」

 4月29日(土)には大阪府内のグラウンドで西日本トライアウトが行われ、今回の東日本トライアウトの結果と合わせ18名の「侍ジャパンU-12代表」が誕生。12歳以下野球世界一へ最初の扉を開くことになる。

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