今年7月28日~8月6日の日程で台湾・台南市で開催される「第4回 WBSC U-12 ワールドカップ」で初優勝を目指す侍ジャパンU-12代表。7月23日(土)は前日午後に続き都内グラウンドにて大会直前合宿2日目となる練習が行われた。
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
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
午前中の天気は曇、気温30°に湿度75%と湿気が強い中、アップとダッシュで身体をほぐしたのち、給水をはさんでチューブを使ったトレーニング、そしてキャッチボールと、侍ジャパンU-12代表選手たちはリズムよくメニューを消化。
キャッチボールの後には投内連係とノック。ここで侍ジャパンU-12代表の布陣が明らかとなった。「そろそろ子どもたちの可能性が見えてきたし、大体の構想は頭の中で決まってきたので、これからはあまり気を遣うことなく誰はどこ、と決めていきながらやっていこう」と、仁志敏久監督によって振り分けられたポジションの一端は、キャッチャーが森大輔(中百舌鳥ボーイズ)と吉田耀(相模ボーイズ)、ファーストは米澤康太(枚方リーグ)と山口滉起(大阪東リーグ)、セカンドにはキャプテンの徳永光希(香芝ボーイズ)と加藤滉大(名東千種リトル)、サードに記虎太郎(大阪八尾ボーイズ)、ショートに大山陽生(広島安佐ボーイズ)と堀内謙吾(寿庄内ジャガース)、レフトはセカンド兼任で中島大成(大阪南リトル)、センターはサード兼任で岡田光平(ナガセボーイズ)、ライトはショート兼任で戸沢快生(秋田ファイターズ)である。
「基本的には捕る、投げる。さらに、内野は単純にバウンドを合わせるとか、ボールをつかみにいけて、しかも身体がよれずに送球ができる。そういった点を見ています。特に重要視しているのは“身体がよれないこと”。バッティングも同じで、トライアウトの時から一番重要視しているところです」。侍ジャパンU-12代表・仁志敏久監督は上記のポジション選択に至った理由についてこう語った。
こうして約15分各ポジションでノックを受けた侍ジャパンU-12代表選手たちは、次にゲーム形式のノックを受けることに。ノッカーを務めた岑和幸コーチからは「次、次を想定してプレーする」ことの重要さを、仁志監督からは「プレーをする前にすべきことを整理する。相手に伝えて終わりではなく、正確に伝わったことを確認しよう。相手のことを考えよう」と課題が与えられる。
ただ、ここはさすが侍ジャパンU-12代表選手。彼らはすぐに声を張り、対応しようとする姿勢を前面に出して約30分間のゲームノックに対峙した。
その後はチームを3ユニットに分けて、バッティングと守備とトレーニングを循環させて練習。1ユニット約15分間隔で一周。午前最後は中島大成、堀内謙吾、記虎太郎、加藤滉大の4名が順番にブルペンに入り、キレのあるボールを投げ込んだ。


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午後は雨の影響もあり室内練習場へ移動しての練習。ここで7月の第一回合宿と前日の直前合宿に続き、多くの時間を割いたのがバント練習だ。仁志監督は改めてその意義を強調する。
「打つ、投げる、捕る、はなんとなくでも伝えられます。ですが、バントだけはどうしてもある程度の形、やり方を教えないと、物理的に上手くなりません。全てを一定の型にはめるわけではないのですが、なんとなくでは教えられない。最低限の基本は伝えています」
その裏には「WBSC U-12ワールドカップ」日本野球の強みを出して勝ち進む狙いもある。
「前回の大会もそうでしたが、国際大会では、なかなか点が入らないケースが出てきます。その際、打撃に結果を委ねてもいいのですが、日本の野球は例えば盗塁が上手、バントが上手、守りがいいなど、目立たないところがちゃんとできるのが強みでもあります。その強みが使えないと力勝負になって体格に優る海外の子たちに負けてしまう。さらに、今回のメンバーたちが今後成長して中学、高校で野球を続けていく際に、バントができないとそれだけで試合に出られないケースもある。代表にきたタイミングでバントの仕方やバントをする選手の気持ちを覚えてもらいたいのです」(仁志監督)。
練習はその後、約30分の2カ所バッティングを経て終了した。なお、侍ジャパンU-12代表は合宿3日目となる7月24日(月)には、チームとして初の実戦となる練習試合を予定。「いいところを出してもらう、アピールしてもらう意味合いが強くあります。開催地に行くまでは全員に同じようにチャンスを与えたい」仁志監督はじめ、首脳陣の意図を汲みながら「リトル侍」18名は、着実にチームとして成長の歩を進め、世界一への階段を昇っていく。
第4回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2017年7月28日〜8月6日
オープニングラウンド
7月28日(金)11:00 チェコ 0 - 13 日本
7月29日(土)15:00 日本 5 - 6 メキシコ
7月30日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 中止 日本
7月31日(月)15:00 日本 中止 南アフリカ
8月2日(水)11:00 日本 31 - 0 南アフリカ
8月2日(水)19:30 チャイニーズ・タイペイ 5 - 7 日本
8月3日(木)10:00 日本 15 - 0ブラジル
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月3日(木)15:00 日本 10 - 0 ニカラグア
8月4日(金)11:30 日本 3 - 6 アメリカ
8月5日(土)15:00 日本 6 - 5 韓国
3位決定戦
8月6日(日)15:00 日本 0 - 1 メキシコ
開催地
台湾 台南市
参加国
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、チェコ、ブラジル、南アフリカ
グループB
アメリカ、韓国、オーストラリア、パナマ、ニカラグア、ドイツ