「第8回WBSC女子野球ワールドカップ(8月22~31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は30日、前日に引き続き、HARD OFF ECOスタジアム新潟で強化合宿を行った。
全日本女子野球連盟U18強化プログラムチーム(マドンナスターズ)と2試合を行い、第1試合は8-1、ナイター対策を兼ねて午後5時30分から行った第2試合は3—1で勝った。
第1試合は初回に三浦伊織外野手(京都フローラ)の中前打で先制。1-1で迎えた5回表2死から3番の三浦、4番の川端友紀内野手(埼玉アストライア)の連続長打で1点を勝ち越した。川端は6回表にも2点適時二塁打を放ち、過去3大会で連覇に貢献したベテラン勢が勝利に導いた。
橘田恵監督にとって2人の活躍は想定内。見たかったのは、ほかの選手たちの働きだった。「スクイズ見落としやサインミスがあり、極めてしんどい試合でしたね。もっと早くプロ組を下げる予定でした。そこが課題。あの2人に何かあって出られない時、小技で取らないといけない。点数をつけるなら30点」と厳しい評価を下した。
その2人を外して臨んだ第2試合は案の定、接戦になった。安打数はU18の7本に対して5本。それでも、2番の田中美羽内野手(アサヒトラスト)がチーム一の俊足を生かして2本のバント安打を決めるなど小技が光った。
飛車角落ちのラインアップで貴重な打点を叩き出したのは、初選出された高校3年生コンビだ。2回裏1死三塁でチーム最年少の田端凜々花捕手(折尾愛真高)が、フルカウントから高めの変化球を中前へ弾き返す。「(走者を)返そうということしか考えていませんでした。ピッチャーは同い年で知り合いだったので負けられない気持ちでした。体が開かず、うまく対応できて良かったです」と初々しく先制打を振り返った。
2-1で迎えた6回裏2死二塁の場面では、投手登録ながら「9番・中堅」で出場した坂原愛海(京都両洋高)が左前適時打。自チームではクリーンアップに座り、投げない時は中堅を守る右腕は「昨日はピッチャーで緊張しました。外野の方がピッチャーよりは気持ち的には楽です。最低限のことはできるようにしていきたいです」と今後は代表チームでも投打二刀流の準備を進めていく。
もうひとりの高校3年生、石村奈々投手(履正社高)もこの日の第1試合に先発して3回を3安打1失点、無死球4奪三振と好投していた。「今日はいつもよりコントロールが良かったです。相手には同じ高校3年生がいて、抑えられないと思ったので全力で投げました。後ろにはすごい人たちが守っているので」と先輩たちを信じて、思い切り腕を振った。
初めてフル代表の日の丸を背負う高校生トリオのはつらつとしたプレーに、指揮官も思わず目尻を下げた。「坂原は予想以上。メインの外野手にも刺激になったと思います。田端は初めて里(綾実投手=愛知ディオーネ)と組ませましたが、未知数な配球が見え隠れして面白い。高校生らしからぬ落ち着き、冷静さもありました。石村も良かった。みんな褒めてあげたいですね」と話した。
第2試合終了後には、ナイターでのフライ捕球対策のため、30分間ノックを行った。「ナイターの経験がない選手もいますし、フライの声かけの確認も兼ねて」と指揮官。午前8時45分から午後8時15分まで12時間近く球場で過ごす濃い一日となった。
3日目となる7月1日も午前9時30分から2試合を行う。ハードな日程になるが「雨が続いたら、本番でもダブル、ダブルはあるかもしれない」と橘田監督は説明する。本番で起こりうるタフな状況を今合宿で経験させ、つぶしていく。
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国