第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ(22~31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表が17日(日本時間18日)、フロリダ州ヴィエラのUSSSA・スペース・コースト・コンプレックスで練習を開始した。
15日に成田空港を出発した後、乗り換えの先のロサンゼルスでドジャー・スタジアムを訪問し、前田健太投手から激励を受けた選手たち。丸2日間体を動かしていなかったため、初日は午前10時から2時間と軽めのスタートとなった。
グラウンドに到着して真っ先に確認したのはマウンドだ。事前に告知されていた通り、日本国内では例のない人工芝マウンドが設置されていたが、球場関係者によると、大会本部の要請により、土のマウンドを手配中であることが判明した。
開幕まで1週間と迫った中で得た新情報にも橘田恵監督は、動じなかった。「球場の係の方に聞いて良かったです。もっと早くわかっていればと思いますが、条件は(相手も)一緒。逆に言えば、私たちは新潟合宿で、土でやってきたので適応できると思います」と冷静に語った。
6月末から5日間HARD OFF ECOスタジアム新潟で実施した新潟合宿では、人工芝対策とナイター対策をメインテーマに据えた。今大会では金具スパイクが禁止されているため、樹脂製スタッド式スパイクを着用して練習。投手も樹脂製スパイクで土のマウンドから投げていた。
すでに体験しているだけに、選手たちにも驚きはない。谷山莉奈投手(埼玉アストライア)は「「(話が)1周しましたね」と笑いながら「新潟では違和感はなかったです」と不安は抱いていない。エースの里綾実投手(愛知ディオーネ)は「これでやれと言われたら、やるしかない。いかに球場の特徴をつかんで生かすか。打球を捕ったと思った瞬間、ボールが動くので注意しないといけない」とマウンドの変更だけにとらわれず、球場全体の注意ポイントに目を配っていた。
未知の球場への対応力は、国際大会を戦うための重要スキル。今年完成したばかりの真新しいグラウンドは、人工芝が柔らかく、チップが多く含まれている。二塁でノックを受けた出口彩香主将(ハナマウイ)は「思ったよりもはねてこないので、前にダッシュしなければいけないですね。深いとボテボテのゴロは間に合わないかも」と守備位置のイメージをふくらませていた。
それぞれがボールの弾み方を確かめながらノックを受け、フリー打撃も行う中、気温はグングン上昇して42度を超えた。「じめじめしていて、さらに時差ボケもあって、今日は予想以上に体力を消耗しました。息苦しい感じ。でも、慣れれば問題ないと思います」と出口主将。猛暑も新潟合宿で経験していたが、この日は移動疲れが重なった。小田啓之トレーナーは「涼しくて快適なロスから移動してきただけに堪えたのでしょう。早い人で、2日で慣れると思います」と話した。
2時間で練習を切り上げた指揮官は「体を慣らすのには十分。今日はダッシュ系をあまり入れなかったですが、徐々に上げていって、実戦に近い形に持っていきたいと思っています」と調整プランを語った。「やっと始まるなという気持ち。とにかく楽しみです」と22日の開幕を見据えて、仕上げていく。
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国