第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ(22~31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表が18日(日本時間19日)、フロリダ州ヴィエラのUSSSA・スペース・コースト・コンプレックスでノックやシート打撃で汗を流した。
午後2時50分から始まった練習は、いきなりアクシデントに見舞われた。内野ノックを終えた後、雷警報で屋内避難を余儀なくされたからだ。待つこと1時間20分。幸い雨は降らなかったため、警報解除と同時にグラウンドに飛び出して練習を再開した。終了間際に再び雷警報が鳴り響いたが、シート打撃に登板予定だった7投手は全員マウンドに上がることができた。
大会中は雨が予想されており、雷警報発令の可能性も十分ある。橘田恵監督は「雨が降った場合だけではなく、雷警報が出てできなくなるというケースを体感でき、システムがよくわかりました」と前向きにとらえた。
さらに、この中断を2段階で有効活用した。まずは球場視察に充てた。同じ敷地内にあるメイン球場に全員で足を運び、球場の雰囲気を味わった。橘田監督は実際にダッグアウトに立ち、柵の高さを確認。「半分以上の選手たちが“こんなに素晴らしところでできるんだね”と話しているのを聞いて、良かったなと思いました。きっと気持ちも入ったと思います」。そう話す指揮官自身も22日の開幕に向け、改めて気持ちが高ぶらせていた。
もう一つの活用法は、この中断を本番中に起きたものと想定してしまうというものだ。橘田監督は再開の合図と同時に体を動かせるように指示を出していた。警報解除から数分でノックを再開。選手たちは軽快な動きを見せた。
練習再開後のシート打撃では、田中露朝投手以外の7人がマウンドに上がった。本番で使われる土のマウンドではなく、小型の人工芝マウンドだったため、足がはみ出してしまう選手やマウンドが掘れないために、蹴り足に痛みを訴える選手もいたが、大きく制球を乱すことなく、対応していた。「足がはみ出たり、グリップ力が違うマウンドであっても、投げられることは悪いことではないかなと思います」と橘田監督は評価した。
攻撃ではサインの遂行がうまくいかない場面が目立ち、練習後には選手たちから「サインをもう一度確認したい」と申し出があった。「私としてはわかっているだろうという感覚でしたが、新潟合宿から1カ月以上も経っているので、そもそものチームの考え方からていねい一つ一つ説明して、お互いの理解を深めたいです」と橘田監督は話した。
開幕まであと4日。この日の練習開始前には、出口彩香主将(ハナマウイ)が選手を集めて「もう一回一人ひとりが行動を見直して、周りを見ることができるようにアンテナを張って、気合を入れていきましょう」と引き締めた。里綾実投手(愛知ディオーネ)も「海外ではイレギュラーなことが起こる。指示を待つのではなく、こういうことが起こるかもと自分から積極的に考えていかないと。しっかり準備して、大会に入ったときには全員で一気に行けるように」と万全の準備を呼びかけた。
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国