第8回WBSC女子野球ワールドカップ(22~31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子は21日(日本時間22日)、現地での5日間に渡る調整を終えた。万全の状態で22日の開幕戦(ドミニカ共和国戦)を迎える。
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2時間の練習では、フリー打撃、キャッチボール、ノック、シート打撃をこなし、最後は各々課題練習で締めた。橘田恵監督は「予定通り順調に来ています。今まで以上にピッチャーがしっかりつくれている。素晴らしい守備陣もいるので、ピッチャーを中心にゲームをコントロールしていきたいと思っています」と自信たっぷりの表情で語った。
懸案事項だったマウンド問題は、この日午後から行われた監督会議で「土」に決まった。2月の第1回強化合宿から人工芝マウンドを想定して準備してきたものの、全く未知の人工芝より、土の方が格段に対応しやすい。実際、20日の公式練習では踏み出し足が滑りやすい人工芝を不安視する声が投手陣から上がっていた。
「我々は土が一番いいと思っていたので、ピッチャー陣にとっても朗報」と指揮官は歓迎。エースの里綾実投手(愛知ディオーネ)も「(人工芝マウンドは)今まで不安だったので、これで投げることに集中できます。いつもの近い形なので、日本にとって有利」とうなずいた。
野手も最後までグラウンド状況を確認していた。課題練習では、一部の選手が人工芝上でのスライディングを繰り返した。足からのスライディングと頭からの帰塁。チーム一俊足の田中美羽内野手(アサヒトラスト)は「帰塁は勢いがつかないので、ふだんと変わらずやっていきます。スライティングは滑るので、ふだんよりも1.5㍍手前から。(摩擦で)熱いので頭からは危ないですね」と特徴をしっかりと頭にインプットした。
マウンドと人工芝。2月の宮崎強化合宿から取り組んできた2つの大きな課題をクリアして初戦を迎える。「確実に点を取っていきたい。走攻守全てにおいて、とてもバランスの良いチーム。これくらいのスキルがないと、日本には勝てないよというところをしっかり見せたいです」と橘田監督は手応え十分で開幕戦に臨む。
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この日の監督会議では、投球間隔の12秒ルール、イニング間の攻守交代90秒ルールの適用が確認された。投手は12秒以内に投げなければ1回目は注意、2回目はボールになる。橘田監督は「選手には伝えてあります。日本人より遅いチームがほとんどなので、そんなに気にすることではないと思っています」とサラリ。一方でWBSCの大会として今大会から採用されるチャレンジ制度の活用には「選手と協力しながら世界で一番最初にやりたいですね」と意欲を示した。
今回のメンバーは平均年齢21・35歳と前回大会より2.2歳若返った。ワールドカップ経験者は8人と少ない中、指揮官が心がけるのは「とにかく選手が楽しく試合に入れるように」ということ。この日夜のレセプションからホテルに戻り、午後11時から行ったミーティングでは「楽しむことを忘れなければ、一人ひとり持ち味が出せるんじゃないかと思います。緊張もプレッシャーもいろんなことを経験して1試合1試合どうやって勉強して進んでいくか。とにかく楽しみましょう」と呼びかけた。前人未到の6連覇への挑戦がいよいよ始まる。
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国