7月12日、第43回 日米大学野球選手権大会に向けた直前合宿3日目が東京都西多摩郡日の出町にある亜細亜大グラウンドにて行われた。
この日は11時半から都市対抗野球大会にも出場する社会人野球の強豪・JR東日本とオープン戦が行われた(当初は神奈川県のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで実施予定だったが、天候や人工芝であることが考慮されての会場変更となった)。
先発のマウンドに上がったのは森下暢仁(明治大)。日米大学野球第1戦(7月16日/愛媛県松山市)での先発が予定されているエースは、3回を2安打無失点に抑える落ち着いた投球を見せた。
この森下の好投により打線にも良いリズムが生まれる。1回には先頭の宇草孔基(法政大)が四球を選ぶと、小川龍成(國學院大)が犠打で塁を進め、牧秀悟(中央大)のセンター前安打で先制に成功。ドラフト上位候補右腕のJR東日本・太田龍の立ち上がりを効果的に攻めた。
また2回には佐藤都志也(東洋大)のライトフェンスを超えるソロ本塁打、さらに柳町達(慶応義塾大)の安打からチャンスを作ると、宇草がセンター前安打を放ち、さらにもう1点加えた。
投げては4回からマウンドに上がった左腕の佐藤隼輔(筑波大)が長打と暴投で1点を失ったが、その後の2イニングは無失点に抑えた。さらにセットアッパー候補の山﨑伊織(東海大)が2イニングを無失点に抑えると、最後はストッパー候補の伊藤大海(苫小牧駒澤大)が無失点に抑えて、3対1と快勝した。
さらに2イニング(10、11回)の延長タイブレーク(無死一、二塁から開始)の練習では、伊藤が11回に内野ゴロの間の1点を許したが、後続をきっちりと抑えた。するとその裏、代打の田中幹也(亜細亜大)が犠打で確実に走者を進めると、最後は柳町がレフトオーバーの二塁打を放ち大学代表が逆転サヨナラ勝ちを収めた。
これで前日の東芝戦に続き実戦2試合を連勝。投手陣は計22イニングでわずか3失点(うち1イニングはタイブレーク)。打線もここぞの場面で繋がり、小技や機動力も随所に発揮している。
また、試合後にはサプライズで7月が誕生日の谷口英規コーチ、海野隆司(東海大)、児玉亮涼(九州産業大)、丸山和郁(明治大)を全員で祝うなど一体感は日に日に高まるばかりだ。
13日はバッティングパレス相石スタジアムひらつかで午前中に練習を行なって直前合宿を打ち上げ、午後には初戦の開催地である愛媛県へ移動する予定となっている。
監督・選手コメント
生田勉監督
「(実戦2試合22イニングでわずか2失点)バッテリーはまだ少し特徴を掴みきれていない部分はありますが、そこが整備されれば、さらに失点は減ると思います。打線もこの合宿前に伝えた“空振OK、三振はNO”という宿題の意味を理解し、追い込まれてからも粘ることができています」
伊藤大海(苫小牧駒澤大)
「良い時のボールに近づいてきていますので、本戦でも力を発揮できればと思います。昨年は“後ろに甲斐野さん(現ソフトバンク)がいるから大丈夫”という安心感があったので、今年は自分がその立場になれたらと思います」
佐藤都志也(東洋大)
「ホームランはストレートを打ちました。自分のスイングをすることに加えてボールの見極めもできおり状態が上がってきています。打線は去年以上に繋がりがあるので、目標とする5連勝を目指していきたいです」