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U-12代表結成後初の実戦 投手陣の好投が目立ち打線も格上投手に食らいつく

2023年7月24日

 7月24日、「第7回 WBSC U-12 ワールドカップ」(7月28日から台湾・台南市)に出場する侍ジャパンU-12代表の直前合宿2日目が千葉県のNTT東日本船橋グラウンドで行われた。

 この日は朝からアップとキャッチボール、ダブルスチール防止のためのサインプレーを練習した後、10イニング制の練習試合を実施。井端弘和監督は試合後に「セレクションでは個々の能力を見たので、今日は選手たちがチームの中でどう融合や変化していくのかが見られました。全員を使うことができ現在の調子や起用法などがイメージできました」と収穫を口にした。
 対戦相手は県内の強豪チームである千葉市リトルシニア。1年生中心の構成ながら、先発投手の石毛慎二郎は最速130キロを投げる2年生左腕で、中学1年生の早生まれの選手と小学6年生で構成された代表選手たちにとっては「格上の相手」だ。井端監督は「世界のトップレベルのボールはあのくらいだし、あれを打てないと世界一になれない」と、選手たちに発破をかけて試合に臨んだ。
 その中で打者陣は初回から食らいついた。2番の舩山大翔(東名古屋ボーイズ)が相手失策、3番の三ツ井蓮(松戸柏リトルリーグ)が一塁への内野安打で出塁すると、鈴木瑛人(秋川リトルリーグ)がセンター前に運んで先制に成功した。石毛に2回から5回までは無得点に抑えられたものの、井端監督は「最初の実戦であの球を見られたのは大きかったと思います」と振り返った。

 投手陣も好調な選手が多い印象で、先発の土屋春樹(墨田リトルリーグ)は2回表に2点を奪われ逆転こそ許したが、四球は与えることなく「安定感がありましたね」と井端監督は評価した。
 出色の出来だったのは最速120キロのストレートを投じる本格派左腕の和田健吾(津ボーイズ)だ。2番手としてマウンドに上がると、スライダーやカーブも織り交ぜ2イニングを無安打3奪三振という内容で相手打線を抑え込んだ。続く3番手の右腕・小栗明(岐阜東濃リトルリーグ)も制球力と緩急を生かしたテンポの良い投球で2イニングを無安打に抑える好投。ともに代表選手18人中4人しかいない小学6年生ではあるが、堂々とした投球を見せた。

 終盤は相手打線の底力の前に失点が重なり合計7点を奪われたが、9回には大塚凰太郎(宮城リーグ宮城野)と皆川旺介(東京城南ボーイズ)の連打で作ったチャンスで、相手投手の暴投、和田の内野ゴロの間に1点ずつを返し、最終スコアは3対7だった。
 そして昼食後は打撃練習や天然芝対策のゴロ捕球、一、三塁を想定しての内野守備練習などが行われた。

 敗れはしたものの収穫の多い試合内容ではあったが、井端監督は選手たちの試合に臨む意識について練習後のミーティングで言及。「セレクションはもう終わったんだ。もう本番だよ。明日の練習試合をワールドカップの初戦や決勝戦のように戦おうよ」と選手たちを引き締めた。

 直前合宿最終日となる25日も10イニング制の練習試合を行う。井端監督が「明日はある程度勝利にこだわっていきたいです」と話すように、実戦力を高めるとともに、28日の開幕戦に向けて弾みをつけたいところだ。

選手コメント

和田健吾(津ボーイズ)

「指先の感覚や体の使い方といったところで良い感触で投げることができました。速いストレートと、スライダーやカーブで緩急をつけるのが持ち味です。世界一になるために強い相手に良い投球をしていきたいです」

鈴木瑛人(秋川リトルリーグ)

「なんとかして先制したいと打席に立ちました。詰まってしまいましたが、ヒットになって良かったです。侍ジャパンに選ばれた瞬間は信じられませんでした。打者としてはミート力や対応力、投手としては回転数が持ち味なので、それを生かして勝つことだけを考えていきたいです」

第7回 WBSC U-12 ワールドカップ

大会概要 出場選手

大会期間

2023年7月28日~8月6日

オープニングラウンド
7月28日(金)12:00 日本 (雨天延期) メキシコ
7月29日(土)19:30 チャイニーズ・タイペイ 3 - 2 日本
7月30日(日)19:30 日本 16 - 0 ドイツ
7月31日(月)15:30 ベネズエラ 7 - 1 日本
8月1日(火)12:00 日本 15 - 0 オーストラリア
8月2日(水)12:00 日本 12 - 6 メキシコ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)

スーパーラウンド
8月3日(木)12:00 日本 7 - 4 韓国
8月4日(金)12:00 アメリカ 0 - 7 日本
8月5日(土)12:00 ドミニカ共和国 1 - 13 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)

3位決定戦
8月6日(日)15:30 日本 8 - 9 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)

開催地

台湾(台南)

出場する国と地域

グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、ドミニカ共和国、パナマ、チェコ、ニュージーランド

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