「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」(3月6、7日ともに19時から京セラドーム大阪)の初戦を翌日に控え、侍ジャパントップチームは午後から大阪市の杉本商事バファローズスタジアム舞洲で練習。18時からは記者会見が行われた。
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若手選手がトップ選手から大きな刺激
チーム結成後初の練習は雨の影響により室内練習場で行われた。東京オリンピックの金メダリストやWBC優勝メンバーから大学生4選手を筆頭にした若手選手まで、経験・年齢ともに幅広い選手たちが集まったが、積極的に会話を交わすなど和やかな空気に包まれた。
「なかなか欠点が見つからないほど」と、現役時代に守備の名手として鳴らした井端弘和監督からも高い評価を受ける宗山塁(明治大)は、WBC優勝メンバーとなった源田壮亮(西武)や中野拓夢(阪神)とノックを受けるとともに、ノック後には使用しているグラブのことなどを話したようだ。
また、宗山は球界トップの遊撃守備を誇る源田を間近で見て、特にグラブさばきに感心したようで「映像で見ていた時にも柔らかさは感じていたのですが、捕れる面が広いというかグラブがしっかりボールの方を向いているなと思いました」と振り返り、「まだ時間があるので聞けることがあれば聞いていきたいです」と目を輝かせた。
一方、宗山について問われた源田は「すごく明るくて、普段から頭を使って野球をしていることが会話でも分かりました」「今日は軽めのノックだったのですが、これまでの映像を見ていると、足がよく動きますね」と、精神的にも技術的にも好印象を明かした。
さらに高卒3年目で今回のメンバー最年少となる田村俊介(広島)は、同じ左打者の村上宗隆(ヤクルト)とともに練習をし「タイミングの取り方やスイングなど全部がすごい」と刺激を受けており、村上もまた田村のことを「スイングの軌道も良いですし、投手に対しての合わせ方もすごい」と高く評価した。自身については、今回は4番で起用されることが決まっていることもあり「期待に応えられるように活躍したいです。WBCでは4番で居続けられなかったので、11月のプレミア12でも選ばれてその打順を打てるようにしたいです」と力強く語った。
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投手陣はブルペンでの投球練習やコンディショニングなど各自で調整。金丸夢斗(関西大)は「緊張もしましたが優しい方ばかり」と笑みを浮かべ「課題が変化球なので宮城投手のスライダーや隅田投手のチェンジアップなどを聞きたいです」と心を躍らせた。
投手陣最年長の栗林良吏(広島)は腰の負傷による途中離脱となったWBC以来の侍ジャパンのユニホームとあって「あの時の悔しい気持ちも持ってマウンドに上がりたい」と決意を新たにした。一方で若い投手たちとも積極的に会話をし、特に同じ愛知大学リーグ出身(栗林は名城大)の中村優斗(愛知工業大)には「リーグの話やリーグ戦の球場とは異なるプロの硬いマウンドについての話をしました」と明かした。
こうした選手たちの姿に井端弘和監督は「大学生4人も十分落ち着いていましたし、経験豊富な選手たちが若い選手たちによく声をかけてくれていました」と感謝し「短い期間ですが良いチームにしたいです」と抱負を語った。
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両チームが抱負を語る
18時からは試合会場となる京セラドーム大阪で記者会見が行われ、両監督と5日の先発投手が出席。侍ジャパンの井端弘和監督と平良海馬(西武)、欧州代表のマルコ・マッツィエーリ監督(イタリア)とトム・デブロック(オランダ)が相手チームの印象や意気込みなどを語った。
井端監督は欧州代表について、打線は「スイングが鋭い」と分析し、先発投手のデブロックについては「WBCにも2回出場している経験豊富な投手なので打つのは難しいが、侍ジャパンらしく粘り強く戦っていきたいです」と警戒した。一方、マッツィエーリ監督は「侍ジャパンと試合ができることを光栄に思っています。欧州の冬は長く、トレーニングは始まったばかり。状態の悪い選手もいますが、状態の良い選手もいるので良い試合ができると思います」と分析した。
また、両先発投手は「欧州代表との対戦はなかなか無いので楽しみたい」(平良)、「ここに来られたことはワクワクしています。チームとしても良い経験を積みたいです」(デブロック)と意気込んだ。
2024年の侍ジャパン初陣となるこの試合。成長著しい欧州野球の精鋭たちを相手に、どんな試合を見せるのか楽しみだ。