11月2日、神奈川県のENEOSとどろきグラウンドで「第11回 BFA U12アジア野球選手権」(11月23日から愛媛県松山市・今治市)に出場する侍ジャパンU-12代表の強化合宿が始まった。
選手たちは11時に宿舎へ集合し、ユニホームの支給や写真撮影を受けた。その後、場所をENEOSとどろきグラウンドへ移し、13時半から練習を開始。あいにくの悪天候ではあったが、それを吹き飛ばすかのように大きな声を出しながら練習に励んだ。
グラウンドに出てキャッチボールを終えた後には選手全員が内外野のノックに取り組んだ。仁志敏久監督が練習後に「まだどこのポジションを誰が守るかわからない状態なので」と話していたことから、練習や実戦を通じてそれぞれの適性を見抜いていく方針のようだ。
続いて室内での打撃練習を開始。仁志監督自らが打撃投手を務め、選手たちは鋭いスイングで応えた。待ち時間にもトレーナーとストレッチを行ったり、自発的に素振りをしたりと空いた時間を有効活用している姿も見られた。
投手陣はブルペンで15〜20球ほどの投球練習にも取り組んだ。ストレートの力強さや変化球の精度に江尻慎太郎投手コーチが唸る場面もあった。捕手を座らせての投球も行い、明日からの練習試合へ向けて状態を確認した。
練習終了後には仁志監督と選手を代表して惣宇利銀河(神明サンダーズ)が記者会見に出席。
仁志監督は「プレー以前に、まずは自分で考えて、そして周りの人のために動ける人になることを目指してもらいたい」と述べた上で、「アジアの中で優勝することは簡単なことではないですが、子どもたちに勝つ喜びとチームとしてのプライドを実感してもらえる大会にしたいと思います」とアジア野球選手権に向けた意気込みを語った。
また、惣宇利は「日本代表として侍ジャパンのユニホームを着ていることはすごいことだと思います。試合では自分の武器である脚を生かしたいです」と緊張の面持ちで決意表明を行った。
宿舎に戻った後の結団式では監督・コーチ・スタッフ・選手たち一人ひとりによる自己紹介が行われ、8年ぶりのアジアチャンピオン奪還に向けた決意をチーム一丸となって確認した。また、江尻投手コーチと野下卓泰コーチからは「仲間とたくさん対話を重ね、感情を共有しながら野球に向き合う期間にしてほしい」というメッセージもあった。さらに、仁志監督から主将に指名された惣宇利が「僕たちの手で優勝を掴み取りましょう!」と力強い一言を残して1日目を締めた。
強化合宿の残り2日間では横浜DeNAベイスターズジュニア(11月3日)と横浜市西区中学生選抜チーム(11月4日)を相手に迎えて練習試合が行われる。ついに始動した侍ジャパンU-12代表がどんなチームづくりを進めていくのか目が離せない。