11月21日、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで「第11回 BFA U12アジア野球選手権」(11月23日から愛媛県松山市・今治市)に出場する侍ジャパンU-12代表の直前合宿が始まった。
11月初旬の強化合宿で絆を深め、今回の合宿でも仲良くコミュニケーションを取る選手たち。主将の惣宇利銀河(神明サンダーズ)は「チームの雰囲気がすごく良いし、連携プレーもうまくできている」と結束力に自信を見せた。
この日は約4時間にわたって練習が行われた。午前中はキャッチボールや守備練習、打撃練習のメニューをこなし、個々の課題に向き合う。内野ノックの際に江尻慎太郎投手コーチが「ここからノーエラーでいこう」と声をかけると、選手たちの動きが固まってしまう場面も。練習後のミーティングで、江尻投手コーチは「ノープレッシャーで発揮できる実力は本物じゃない。練習からガチガチにやりなさい」と1つひとつのプレーに対する意識の向上を促した。
午後には守備を置かない形式のシート打撃を行い、7名の投手が登板した。2日後に迫った開幕に向けて実戦形式の練習も取り入れたようだ。古畑太誠(深川ジャイアンツ)は自身の投球を「意味のある練習ができたから、実戦形式でもコントロール良く投げられました」と振り返る。福田周吾(IBCレイカーズ)はプルペンでの投球練習からボールを低めに集めるように意識したことで、安定した投球を披露できたようだ。
練習を終えた後は愛媛県庁へ表敬訪問。総勢200名ほどの職員による花道と盛大な拍手で迎えられ、選手たちは嬉しさと驚きが入り混じったような表情を浮かべていた。
濱里要副知事から「今大会は初の愛媛開催です。優勝を目指してもらうとともに、道後温泉などでぜひリラックスもしてください」と歓迎の挨拶を受け、仁志敏久監督は「熱烈な歓迎をありがとうございます」と感謝の意を述べた。惣宇利も続いて「侍ジャパンのキャプテンとして、チームを引っ張って優勝に導きたいです」と決意表明をした。さらに、唯一の四国(香川県)出身の立岩駿(古高松ブルースターズ)は「四国出身は1人だけですが頑張ります」と力強く宣言。歓談を楽しんだ後には侍ジャパンU-12代表の鎌田英暢団長から濱里副知事へユニホームとキャップが贈呈され、記念撮影をして表敬訪問は終了した。
夕食後にはチームミーティングを開催。野下卓泰コーチは「どんな目的を持って練習できたかが大切。明後日から大会なので、緊張感を持ちましょう」と話した。
仁志監督は「自分の思う最高のチームとは何かノートに書いてみよう」と選手に指示。「みんなが仲良しで信頼しあっている」「切り替えが早いこと」「相手をリスペクトする」「仲間のダメなところを注意できるチーム」などの声が挙がった。反対に「最悪のチームとは?」と問われると、「礼儀正しくない」「感謝がない」「人任せ」「声かけがない」といった意見が。それらを踏まえて選手たちにチームの現状を10点満点で採点させた。7点と評価する選手が最も多く、漆崎一輝(ドラゴン中藤スポーツ少年団)は「チームワークはあるけど、楽しむ場面と集中する場面のメリハリがまだ足りないと思います」と振り返った。
仁志監督は最後に「悪いことはその場でしっかり声をかけあって改善する。良いことも続けるために声かけをしていこう。日本チームの礼儀正しさは他のチームの憧れでもある。日本人としてその期待を裏切らないように行動しよう」と話し、ミーティングを締め括った。
直前合宿最終日の22日は1時間半の公式練習とオープニングセレモニーへの参加を予定している。いよいよ大会も目前。日の丸を背負う覚悟を抱き、U-12代表がアジア制覇に向かって、さらにギアを上げる。
選手コメント
福田周吾(IBCレイカーズ)
「直前合宿に向けてバッティングの強化と変化球の練習をしてきました。今日もブルペンからいい準備をして投げられたと思います。もうすぐ始まる大会は、緊張よりもワクワクとか楽しみな気持ちが大きいです。自分の役割を果たして、チームが優勝できるように頑張ります」