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"世界の野球"【第24回】清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記「NZ U-15代表チーム 強化練習 Vol.2」

2016年7月20日

文・写真=元 野球日本代表 清水直行

 オークランドでは激しい雨の日と、すっきりと晴れた冬晴れの日が、周期的に訪れている。激しい雨の日は、夜中に雷雨で目が覚めることもある。うって変わって天気の良い日の日中では半袖で過ごせるほど暖かい。この地の冬にはつくづく驚かされている。
 ついこの間の練習日、朝は3℃近くまで気温が下がった日があった。しかし、昼からの練習時には、上着を着てウォーミングアップをするどころか、子供たちは半袖姿で練習を開始していた。もちろん我々コーチ陣も、あまりの暖かさに腕まくりをしてサポートにあたった。こんな激しいような穏やかなオークランドの冬である。

 福島県で夏に開催されるU-15のワールドカップに向け、オークランドに住んでいる代表選手たちの練習は、1週間に2回行われている。練習日は、水曜日の17時30分から20時までと、日曜日の昼12時から14時30分までだ。

 水曜日は、冬の夕方頃ということもあり、辺りはすでに陽が沈んでいるため屋外での練習はできない。もちろん照明施設完備の立派な野球場でもあれば話は違ってくるのかもしれないが、ニュージーランド全土を見渡してもそのような球場は存在しないため、おおよそ、内野にも満たないほどの屋内施設で汗を流している。この施設で行う水曜日の練習では多くのスイングをさせている。
 施設内には常にバッティングマシーンが4台あるので、約15選手でローテーションを組んで打たせている。その1台には投球映像とバッティングマシーンを組み合わせえているものもある。タイミングが合わせやすこともあり好評だ。さらにもう1台には、ゲーム機能を取り入れているマシーンもある。私も最近まで知らなかった機械だ。というのは、ボールのスピードやバットとボールの当たる角度やスピード、スイングの軌道などを数台のカメラで瞬時に読み取り、近くに設置してあるテレビ画面のようなスクリーンに、今自分が打っただろう打球が写し出されるのだ。
 わかりやすく言えば、シュミレーションゴルフの野球版のようなものだ。施設のコンピューター内には個人の打率や打撃データを保存することができるので、数日おきに利用して腕を磨いている人も多いそうだ。そんな機械などがある施設で、時間のある限りバッティング練習に没頭してもらっている。代表チームの目標として、それぞれが日本へ出発する日までに、10000スイングという目標を立てたことを実践してくれていることもあり、最近では強い打球を打つ選手が増えてきたので嬉しく思っている。

 日曜日の練習では、水曜日がバッティング中心になっているので、やはり守備練習に時間を使う。ここでの練習にも全員が参加することができないため限られた練習になるが、投げること捕ること走ることのレベルアップを目指して汗を流している。
 こうやって練習をしているといつも思うことがある。練習場所までの車で送り迎えをしてくれている家族の支えだ。自宅から1時間ほど車を走らせてくる選手もいれば近所の選手たちと一緒に乗合でくる選手など状況はさまざまだ。親のサポートなくしては練習が成立していないということを忘れてはいけない。まだ残されている時間はたくさんある。日々支えてくれている家族に日本から嬉しいニュースを届けるためにも、毎日バットをたくさん振り、練習日の限られた時間を大切に使ってほしい。

清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記
著者プロフィール
清水直行(しみず なおゆき)
1975年11月24日生まれ 京都府出身。日大、東芝府中を経て、99年にドラフト2位でロッテに入団。2002年から5年連続で規定投球回、2桁勝利を継続し、エースとして活躍。05年は31年ぶりの日本一にも貢献した。04年のアテネ五輪、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。10年から横浜(現:横浜DeNA)。プロ12年間で通算105勝、防御率4.16。現役引退後は、ニュージーランド野球連盟ゼネラルマネジャー補佐、同国の代表統括コーチを務める。

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