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"世界の野球"清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記「WBSC U-18 ワールドカップ オセアニア予選 vol.1」

2017年2月13日

文・写真=元 野球日本代表 清水直行

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催するU-18ワールドカップのオセアニア予選が1月18、19、20の3日間、オーストラリアのシドニーで開催された。オーストラリアには大リーグ傘下のマイナー選手や日本球界からも選手が参加するウインターリーグ「オーストラリアン・ベースボール リーグ」(ABL)がある。


アビシェック選手

 大会の会場は、ABLに加盟するシドニー・ブルーソックスの本拠地で行われた。オセアニア予選は変則で、実力的に抜きん出たオーストラリアはすでに9月にカナダで開幕する本大会に出場を決めている。
 その上で、ニュージーランド、グアムの3チームで2回の総当たりで予選を行い、ニュージーランドとグアムは1回でもオーストラリアに勝てば、20日に決勝トーナメントを実施。そこでも勝てば、オーストラリアとともに本戦に出場できるという規定になっていた。

 ニュージーランドは残念ながらオーストラリアに2戦全敗。グアムに対し1勝するも本大会への出場権は得られなかった。

 そんなニュージーランド代表のメンバーには、異色の選手がいた。
 アビシェック君という16歳の選手で、現在は父親が働くドバイに住んでいる。ドバイには、野球をする環境は多くはないらしい。野球好きの彼は、ニュージーランドから引っ越したとき、何とか野球を続けたいと父にお願いをした。
 その情熱に負けた父の協力のもと、彼は飛行機で1時間かけて、野球の練習ができる場所へ通っているそうだ。投手である彼の球速はまだまだ途上にある。だけど、体も大きくて、頭がいい。

 大会では投手の球数に制限があるため、ベンチに控えた彼にカウントを任せた。彼は正確に球数をカウントし、監督を務めた私に教えてくれた。
 ご褒美といっては何だが、最後のグアム戦の先発マウンドに送り出した。70球を投げ、試合には負けたが、ゲームをしっかりと作ってくれた。

 ドバイから1時間かけて、彼がどんな場所で練習しているのか、わからないが、野球が好きで続けようと思って練習している姿がうれしかった。
 日本なら、近くの小学校に必ず少年野球のチームがある。少子化だとはいえ、チームの9人そろえることだって、それほど難しくはない。だけど、世界に目を映せば野球をできる環境はまだまだ整っていない。そのことを痛感させられた。

 アビシェック君には、ぜひニュージーランドのフル代表になれる日まで頑張ってプレーしてほしい。また、彼に会える日を、少しでも成長した姿を見れる日を、楽しみにしている。

清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記
著者プロフィール
清水直行(しみず なおゆき)
1975年11月24日生まれ 京都府出身。日大、東芝府中を経て、99年にドラフト2位でロッテに入団。2002年から5年連続で規定投球回、2桁勝利を継続し、エースとして活躍。05年は31年ぶりの日本一にも貢献した。04年のアテネ五輪、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。10年から横浜(現:横浜DeNA)。プロ12年間で通算105勝、防御率4.16。現役引退後は、ニュージーランド野球連盟ゼネラルマネジャー補佐、同国の代表統括コーチを務める。

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