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"世界の野球"インドネシア代表「2016年 アジア競技大会強化プロジェクト開始」

2016年3月25日

文・写真=野中寿人

 2016年のインドネシア代表チームの活動を読者の皆様にご報告させて頂きます。
 今年の東アジアカップ、来年のアジア選手権大会、そして再来年2018年、母国インドネシア開催のアジア競技大会に向けた活動が始まります。まず第一歩として、今月末よりインドネシア代表チームのレギュラー選手2名を日本に渡航させ、野球のトレーニングを施すプロジェクトを行います。
 これは、昨年末に実施した日本の社会人野球(深谷組硬式野球部)への入部テストを縁に実現したもので、インドネシアの選手を深谷組硬式野球部へ3か月の間練習や試合へ参加させることで、野球の技術向上を図ります。

 今回、深谷組硬式野球部にお世話になるのは、2018年のアジア競技大会へ向けてエース投手となるであろうピッチャーと、同じく次期キャプテン候補であり攻守の要となる内野手の計2選手。2名ともインドネシア代表チームのレギュラーです。
 深谷組硬式野球部への滞在は3か月間を予定しており、深谷組硬式野球部をメインとして、4月の沖縄キャンプにもインドネシアからの2選手が同行します。また、深谷組硬式野球部の練習の空き日には、近郊の大学や高校への練習参加も組み込んでいく予定です。

 インドネシア国内では、継続的な強化練習がままならないのが現状です。であれば、素質があり、かつ、伸びしろのある選手個人を、できるだけ長い期間、日本などの野球強豪国へ渡航滞在をさせて、野球に関する知識・技術、野球人としても私生活の管理、そして、日本とインドネシアとの野球の相違点の把握と自己修正など、総体的な強化を計ることが重要であると考えております。

 今回のプログラムを含む、今後実施する幾つかの代表チーム強化プロジェクトは、2018年インドネシア開催のアジア競技大会を1つの分岐点とし、それ以後にも持続性を持たすことを視野に入れています。
 2018年の母国、アジア競技大会開催という大きなモーメントを如何にして活用することが出来るのか?この部分が、インドネシア野球の発展とインドネシア代表ナショナルチーム向上のカギになると考えます。

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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