文・写真=野中寿人
インドネシア野球の新年第1弾となるこの項では、2018年最初の動きとして、東京都高野連様とインドネシア国家青年スポーツ省との提携/MOU締結について記させて頂きます。
今年、インドネシアのジャカルタにて開催をされます、アジア競技大会に関連して、インドネシア野球の発展と向上について、昨年より、NPB様、東都大学準硬式野球連盟様と提携をさせて頂いてきておりますが、この度、東京都高野連様との提携をさせて頂きました。
東京都高野連様との提携の経緯は、2016年の台湾/台中市で開催されたU18アジア選手権大会時に遡ります。
東京都高野連様の武井理事長をはじめ、根岸副理事(帝京高校コーチ)、三木理事(日大三高コーチ)がこのU18アジア選手権大会を視察するために台中市へご来訪をされました。
大会初日の台湾U18代表とインドネシアU18代表の開幕戦を、東京都高野連様が観戦をされ、この際に、提携のお話しを東京都高野連様から受けました。昨年、日本へ一時帰国をした時に東京都高野連様の事務所での再度の会談を経て、今年の1月12日より東京都高野連様がインドネシアへご来訪され、提携をすることとなりました。
今回のインドネシアご来訪のスケジュールは、まずはインドネシア国内でも野球人口の増加策を実施し、野球の発展・向上が著しい、バリ島の野球をご視察され、その後、15日にバリ島からジャカルタに移動、インドネシア国家青年スポーツ省と提携会談を行いました。
この会談において、細かな提携内容を打ち合わせてさせて頂き、その結果、支援物資の寄付やインドネシア代表チームの日本でのトライアウト、また選手、指導者、審判員およびスコアラーの日本での研修、そして東京都選抜チームのインドネシア遠征に加え、将来的な部分において、日本(東京都内)の高校への野球留学をも視野に入れた内容にて提携の内容が決定された次第です。
更に、ジャカルタと東京が姉妹都市という関係から、東京都高野連様とインドネシアアマチュア野球連盟ジャカルタ州支局との提携も締結することとなりました。 また、インドネシアアマチュア野球連盟本部とも会議を行い、最終的には、インドネシア国家青年スポーツ省、インドネシアアマチュア野球連盟本部、インドネシアアマチュア野球連盟ジャカルタ州支部の3つのセクションと提携することとなりました。
この複数の提携は、インドネシア代表ナショナルチームの選手が多く所属をするインドネシアアマチュア野球連盟ジャカルタ州支部との提携を加えることにより、ジャカルタ州内の野球競技に対する財源で、インドネシアアマチュア野球連盟本部の財源不足を補い、ジャカルタ州内の野球競技へ投下される多大な割り当て資金を使用してナショナルチームの向上と強化に際するプログラムを円滑に実行する意図があります。
この様な形式により、インドネシア国家青年スポーツ省が監修をし、インドネシアアマチュア野球連盟本部が統括をする各国際大会、そしてインドネシアアマチュア野球連盟ジャカルタ州支部が関与するインドネシア国体向けの選手強化などをも含めた幅広い部分で、諸々の向上プログラムの遂行が東京都高野連様のご協力のもと遂行が出来ることとなります。
基礎的な部分から選手を指導され育成しておられる日本の高校野球の指導方法は、以前よりインドネシアをはじめとした野球途上国への適応度が非常に高く、ご指導をされておられる指導者(監督様、コーチ様)の方々からのご協力は、野球途上国の選手向上に不可欠だと考えております。更に高等学校という教育機関であることからも、マナーやエチケット、気質の養成などを含む道徳観をも含んでいる為、野球競技の地位の確立にも不可欠であると痛感をしておりました。従って、今回の東京都高野連様との提携は非常に意義深いものと感じております。
12日から17までの6日間、バリ島とジャカルタにて、連日、諸々の会議を武井理事長、根岸副理事長、三木理事とさせて頂き、私自身とても勉強になりました。そして、何よりも2018年のインドネシア野球の始動にとって、大変、内容が濃く、インドネシア野球の未来に繋がるスタートになったと判断をしております。
日本代表チームも参戦するアジア競技大会は日本の野球関係者の方々、ファンの皆様方にとっても非常に興味がおありのことと思います。開催ホスト国であるインドネシアも、間もなく、東アジアカップ~アジア競技大会の参戦に向けたチーム編成を行う、インドネシア野球の未来を方向付ける大切な時期を迎えます。
ホスト国としてのアジア競技大会開催準備の様子、そして、アジア競技大会で使用する新しく建設をしている野球グランドの状況、また、自国の代表チームの編成と強化合宿の模様などを来月期から記載をさせて頂ければと思います。
- インドネシア野球「アジア競技大会 大会に向けての準備状況」
- インドネシア野球「教育としての野球-インドネシア野球キャラバン」
- インドネシア野球「インドネシア代表チームの編成、及び、最新のグラウンド状況」
- インドネシア野球「アジア競技大会への準備」
- インドネシア野球「東京都高野連様との提携」
- インドネシア野球「第13回 BICレッドソックス深谷組カップ」
- インドネシア野球「野球キャラバン ジョグジャカルタ編」
- インドネシア野球「インドネシア女子硬式野球始動~オーストラリアへ!」
- インドネシア野球「日本の各野球組織、団体との提携へ」
- インドネシア野球「野球キャラバン スラウェシ島マカッサル編」
- インドネシア野球「インドネシア野球の方向性 野球動作の統一」
- インドネシア野球「子供たちに未来を!2017野球キャラバン」
- インドネシア野球「高度な野球環境との同化」」
- インドネシア野球「卒業旅行と野球 バリ島」
- インドネシア野球「インドネシア アマチュア野球連盟人事改正(リーダーと組織)」
- インドネシア野球「2017インドネシア代表チームの運営」
- インドネシア野球「2017年インドネシア野球向上各プログラム」
- インドネシア野球「2017年 インドネシア代表ナショナルチーム展望」
- インドネシア野球「“野球国力”ランキング査定システムがもたらす野球衰退」
- インドネシア野球「国際大会開催不能による野球衰退の実情」
- インドネシア野球「非行麻薬防止 突撃キャラバン」
- インドネシア野球「Fu×Bic 野球キャラバン ジャカルタ編」
- インドネシア野球「野球教室とストレッチ講習」
- インドネシア野球「大会結果とセレクション結果」
- インドネシア野球「国内クラブチーム大会 Vol.4 (大会の主旨)」
- インドネシア野球「国内クラブチーム大会 Vol.3 (日イ友好 国際親善)」
- インドネシア野球「国内クラブチーム大会 Vol.2 (付加価値の提供)」
- インドネシア野球「国内クラブチーム大会開催 (インドネシア代表チーム選手セレクション)」
- インドネシア野球「ワールド・ベースボール・クラシック 予選について」
- インドネシア野球「第19回 インドネシア国民体育大会 総評」
- インドネシア野球「第19回 インドネシア国民体育大会 開催」
- インドネシア野球「Fu×Bic 野球キャラバン スラバヤ編」
- インドネシア野球「第11回 BFA U-18 アジア選手権 Vol.5~ストレッチングトレーナの導入~」
- インドネシア野球「第11回 BFA U-18アジア選手権 Vol.4」
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- インドネシア野球「日本プロ野球名球会野球教室」
- インドネシア野球「野球キャラバン スタート」
- インドネシア代表「2016年 アジア競技大会強化プロジェクト開始」
- 「社会人野球への挑戦」
- 「ソフトボールとの関係」
- 「野球動作〜異国で日本人選手の育成はいらない」
- 「泥水を飲み続けて修正へ導く」
- 「ライセンス制度の導入」
- 「現地人指導者の権威と権力」
- 「野球をどの様にして国内の学校に広めるか」
- 「インドネシア野球向上と発展プロジェクト」
- 「外国人監督として注意しなければならないこと」
- 「インドネシア代表 外国人監督としての宿命と任務」
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- アジア選手権「一難去らずにまた一難、第27回アジア選手権大会へ向けて」
- アジア選手権「インドネシア人の体について探求する」
- アジア選手権「インドネシア代表ナショナルチームの選手選考」
- アジア選手権「スポンサー獲得とインドネシアからの教示」
- アジア選手権「インドネシア、国際大会への参戦」
著者プロフィール
- 野中 寿人(のなか かずと)
- 1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。
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