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"世界の野球"インドネシア野球「国内クラブチーム大会 Vol.3 (日イ友好 国際親善)」

2016年12月8日

文・写真=野中寿人

 前項までの掲載内容で、今回の国内クラブチーム大会への参加は「6チーム」と記しましたが、参加する6チームの内訳をご説明させて頂きますと、5チームがインドネシア国内のクラブチームとなり、1チームが日本のチームになります。
 前項のとおり、選手セレクションという付加価値を含んでいる大会となりますが、この部分とは別に、日本とインドネシアとの国際親善という更なる大きな意義を含んだ大会であり、単なる国内クラブチーム大会ではありません。
 そして、国際親善として、今回、日本から大会に参加するチームをご紹介させて頂きます。東都準硬式野球連盟選抜で、選手、首脳陣、また、連盟の会長様をはじめとした総勢32名のチームです。また、今年のドラフト会議で楽天ゴールデンイーグルスから6位指名を受けた、帝京大学の鶴田投手も選抜チームのメンバーとして来訪されます。

 今回、東都準硬式野球連盟選抜チームのインドネシア来訪に至った経緯は、3年前にまでさかのぼります。当時、私と東都準硬式野球連盟の理事である杉山氏(日本大学準硬式野球部コーチ)との間で、国際親善の話をし、開始の時期を煮詰めてまいりました。
 1つの組織を動かすことは簡単なことではありません。先に、インドネシアの文化、風土、野球の下見を兼ねて、杉山氏がコーチを務める日本大学準硬式野球部がバリ島にご来訪され、バリ島内のクラブチームと親善試合を行い、その後に、東都準硬式野球連盟の理事の方々が最終調査としてジャカルタにご来訪されました。この様なプロセスを経て、東都準硬式野球連盟の理事会からインドネシアへの渡航、そして、この度の、国際交流の承認を得たという経緯があります。

 その結果、今大会期間中に、東都準硬式野球連盟様と、インドネシアアマチュア野球連盟とで、友好親善の提携調印式を取り行うこととなりました。提携の内容は2018年までの3年間を1つのスパンとし、来年の2017年、再来年の2018年と、継続して東都準硬式野球連盟選抜チームが、インドネシアへ渡航をして親善試合や、インドネシア野球発展と向上についての諸々の支援協力、また、雨季対策として準硬式ボールの普及をも視野に入れた提携をして行きます。
 こと、雨季の時期における硬式球の耐久性には大きな問題があり、ゴム素材の準硬式ボールは、非常に貴重な役割を果たすものと考えており、個人的にも期待度を高く持っております。

 この国際親善において、インドネシアの選手たちからは、東都準硬式野球連盟選抜チームの選手たちから、野球の技術は勿論のこと、野球に対する姿勢に至る部分まで学んでもらい、良き見本としてもらいたい。そして、東都準硬式野球連盟選抜チームの選手たちには、野球途上国の野球環境を含め、色々な体験をし、国際的なグローバル性を養ってもらいたいと思っています。
 通常、人生の中で、日本人とインドネシア人が、知り合える機会はあまりありません。野球というスポーツを通じて、知り合えた出会いを大切にし、選手個人同士が、交流を深め、自己の人生の貴重な財産の1つにしてくれたら幸いです。

 尚、私を含め、東都準硬式野球連盟選抜チームの選手の皆様、並びに東都準硬式野球連盟会長様や首脳陣の方々が、安心して滞在をして頂ける様、インドネシア側の人員は、最大の注意を持って安全の対応に努めさせて頂く覚悟でおります。
(続)

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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