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"世界の野球"インドネシア野球「第11回 BFA U-18 アジア選手権 Vol.5~ストレッチングトレーナの導入~」

2016年10月5日

文・写真=野中 寿人

 2007年のインドネシア代表チーム監督就任時から常に考えていることは、1つの国を代表するチームとして、あるべき正常な形を構築していき、その形を次世代へ継承をして行ってもらうことです。これは、国際大会や代表チームの運営に際する資金・支援金の獲得とは別に、外国人監督としての職務の中に含まれる任務であります。

 インドネシア代表チームは2007年時から現在に至るまで、チームの首脳陣は監督、アシスタントコーチ2名、コンディショニングコーチ1名という4名体制と、インドネシアアマチュア野球連盟やスポーツ省から決められておりますが、今回から「ストレッチング」部門として専門トレーナーを正式に首脳陣・オフィシャルに加入。
 現状、インドネシア国内において「ストレッチング」という専門分野はありません。その為、今まではコンディショニングコーチが全般の1部分としてストレッチを担当してきました。しかしやはり、的を得たストレッチングが施こされておりません。そこで、選手のパフォーマンス能力を最大限に引き上げ、持続性を保つ身体へのメンテナンスを行うにあたり、今年度から日本の「株式会社フュービック」のDr.ストレッチ様との提携で野球キャラバンというプログラムを、既に開始していますが、この株式会社フュービック様のご協力を受け賜り、Dr.ストレッチのTOPトレーナー数名がインドネシア代表ナショナルチームのストレッチ担当として国際大会への帯同を開始しました。

 もちろん、今回のU-18アジア選手権でもU-18インドネシア代表ナショナルチームのベンチ内に入り選手へのストレッチ全般を担当。また彼らは高校や大学まで野球をしてきた経験者ですので、試合前の打撃練習時でのバッティングピッチャーをも兼任してもらいました。そして、試合後のチームミーティングにも参加。
 監督・コーチ以外で多くの日本人が帯同していたのはU-18インドネシア代表チームのみで、最下位のチームが多勢のスタッフを準備していたという驚きがあったかと思いますが、国を代表するチームとしてのあるべき首脳陣・オフィシャルの姿を構築しました。Dr.ストレッチ様には今後の国際大会も継続してインドネシア代表チームの首脳陣・オフィシャルとしてベンチ入りをしていただき、ストレッチングトレーナーというポジションを統括して頂きます。

 ご協力を受け賜ります、株式会社フュービックの黒川社長、また、今回日本より台中入りをして頂いたDr.ストレッチの小林シニアトレーナー、並びに、櫻山TOPトレーナー、山田TOPトレーナー、有難う御座いました。今後も宜しくお願い致します。
 尚、インドネシア代表チームの首脳陣・オフィシャル内のアシスタントコーチについても各専門分野に分けて増員をし、コンディショニングコーチについても同様に部門を細分化し、増員をしていく考えでおります。

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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