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"世界の野球"ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第19回「ネパールU15野球大会」

2016年12月16日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 前回の記事でも紹介したように、NHK-BS1の新番組「世界はTokyoをめざす」でネパール野球が紹介された反響は大きかった。そのひとつの例として、バクタプルの子どもたちが割れたホームベースを使っている場面を観たある視聴者が、現地に新しいホームベースを届けたいと考え、ネパールにホームベースを持参してくださったという話を聞いた。このように番組を切っ掛けに多くの方々にネパール野球を知っていただき、支援の輪が広がったことは嬉しい限りである。また、番組中ではグラウンド建設にも触れられていたが、グラウンド建設については、これから調査や計画策定を進めていく予定で、その進展については、今後も随時お知らせしていきたいと思う。

 ところで、去る11月17日と18日、カトマンズのダサラス・ランガシャラ・スタジアムで15歳以下の野球大会が開催された。このスタジアムはネパールの国立競技場で、サッカーの国際大会も開催されるネパール最大の競技場である。
 大会には、主にカトマンズとその周辺地域の学校から集まった男子8チームと女子6チームが参加し、男子は野球、女子はソフトボールの試合を行った。また、開会式にはネパールの名誉スポーツ大臣が、閉会式にはネパールオリンピック委員会の副委員長が来賓として招かれた。かつて無いチーム数の参加で、大会は盛り上がりを見せた。そして、男子の決勝戦ではバクタプル・ライジングスターズとパタンのゴルカクルーが対戦し、1-0の接戦でパタンのゴルカクルーが優勝を勝ち取った。パタンのゴルカクルーは昨年の大地震の後に結成されたチームである。

 この大会の開催に関して当会は一切関与しておらず、企画や運営は全てネパール側の手によって行われた。大会の開催に当たり、大会を主催したネパール野球ソフトボール協会のネウパネ事務局長は「ネパールで野球やソフトボールを広めるため、そして選手を育てるためにこの大会を開催した」と述べている。また、彼は「このような大会を開催するのは初めてだったので、なかなかうまく行かない面もあった」とも語っている。とはいえ、このような大会が開催されたこと自体が大きな進歩であり、ネパール野球が自立へ向けて進んでいる証でもあると言えよう。

 大地震で大きな被害を受けたネパールだが、それをひとつの切っ掛けとして皆んなが一丸となってネパール野球を盛り上げ、このような大会を成功させたのには、私自身も驚かされている。

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