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"世界の野球"ヒマラヤを北に望む国 ネパールの野球 「福島県×ネパール シャクナゲ交流」

2023年10月2日

文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)

 以前のコラムでも紹介したが、今年の6月にネパール野球ソフトボール協会(NBSA)の新体制が発足した(2023年7月14日付「ネパール野球ソフトボール協会の新体制発足」参照)。そして去る9月6日から9月13日にわたり、ディパック・ネウパネ新会長をはじめとするNBSAの役員ら6名が来日した。NBSA役員らは日本滞在中、全日本野球協会などを表敬訪問し、ネパール野球の現状や今後などについて様々な話を行った。

 また、NBSA役員らは福島県楢葉町を訪れた。今回の日本訪問の大きな目的のひとつは、ネパールと福島県の「シャクナゲ交流」を進めることにあった。楢葉町では9月9日にキャッチボールクラシックオンライン国際交流会(CBC大会)が行われることもあり、その機会を捉えての訪問であった。私は仕事の傍ら、日本アジア球友団ラリグラスというNPO法人を運営しているが、当団の名称にある「ラリグラス」はネパール語でシャクナゲのことでネパールの国花である。この名称にはネパールでは知られていない野球がいつの日かシャクナゲのようにネパールに根を下ろして花を咲かせ、誰もが知っているスポーツになって欲しいとの願いが込められており、1999年の活動初期に発足したチーム「ポカライエティーズ」の子どもたちにより名付けられたものである。

 そしてこの「シャクナゲ交流」は、2021年にネパールがCBC大会に参加した際、ネパールの国花と福島県の県花がともにシャクナゲであることを知ったことが始まりとなっている。また、福島県は東日本大震災、ネパールは2015年の大地震でともに震災からの復興を経験するなど福島県とネパールには繋がりがあることから、CBC大会の主催者のひとつである福島ベースボールプロジェクト様(FBP 磯崎邦広代表理事)との間で「シャクナゲ交流」とも言うべきネパールと福島県の交流活動を進めようという話になった。しかしその後、コロナ禍やネパールの政治的混乱などの障害があり、活動を進めることができなかった。そしてこの度、CBC大会当日にシャクナゲ交流宣言の式典が行われ、ようやくスタートを切ることができた。そして、「シャクナゲ交流」の手始めとして、FBP様から硬式ボール180個のご寄付を賜った。

 ちなみに、CBC大会前日の9月8日は、1999年にネパール野球の活動が始まってから、ちょうど25年目の記念すべき日にあたった。この日、NBSA役員らは楢葉町役場に松本栄樹副町長を表敬訪問しFBP様とともに「シャクナゲ交流」についてご説明したが、これも感慨深いところである。25年前、海外研修でネパールを訪れていた大学生が空き時間にキャッチボールをしていると、人々が物珍しそうに集まってきた。不思議に思った学生たちが後日、国家スポーツ評議会を訪問した際に当時の大臣に確認し、ネパールには野球が全く無いと知った。それがきっかけとなり、同年9月8日にポカラの学校で学生らが子どもたちに野球を紹介したのがネパール野球の始まりであった。

 この他、NBSA役員らはCBC大会の関係者との意見交換会も行った。意見交換会にはFBPのアドバイザーを務めている元NPB選手の秦真司氏、元女子プロ野球選手の小西美加氏や日本プロ野球選手会の関係者らも参加し、ネパール野球の発展のための施策や野球道具の問題についても意見交換がなされ、今後に向けて大変有意義な議論ができた。

 CBC大会自体は台風の影響で福島県の選手たちが会場に来ることができなかったため、ネパールを含めた海外チームのみがオンラインで参加する形となってしまったが、今回の福島県訪問に関して、NBSAのディパック・ネウパネ会長は次のように述べている。「FBPをはじめとした皆様とネパール野球の発展について意見交換をする機会を持てて嬉しく思います。皆様のご意見とご支援は私たちの活動にとって非常に貴重なものであり、ご協力に感謝いたします。今後ともネパール野球の成長と向上のために協力し合えることを楽しみにしています」。

 CBC大会に参加する一方で、NBSA役員らは双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館も訪れている。前述のとおり、ネパールは2015年に大地震に見舞われており、展示を見たNBSA役員らは自らの体験も重ね合わせ、福島県について学んでいた。

 今回の来日で、NBSA役員らは新体制の下、日本の関係各所との関係をより深くすることができた。特に、福島県とは「シャクナゲ交流」という新たな活動がスタートを切った。NBSAとしては、日本滞在中に各所で受けた提言や意見も活かしつつ今後の活動を進めていく。

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