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"世界の野球”ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第22回「ネパール人コーチの来日」

2017年2月3日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 去る1月21日から5日間に渡り、ネパールの野球チーム「ゴルカクルー」から4名のコーチが来日し、野球の研修をおこなった。

 ゴルカクルーは2015年6月にパタンで設立された少年および青年野球のクラブチームである。今回来日した代表のディネッシュ・バジャガイン氏をはじめとして、彼らはチーム設立以来、野球技術の習得にも熱心に取り組んでいる。
 しかし、ネパール国内では野球の技術を学ぶことが難しいため、ネパール国外で野球技術を学びたいと考え、その受け入れ先を探していたところ、履正社医療スポーツ専門学校および履正社高等学校の女子硬式野球部(以下、履正社)が受け入れを了承してくださり、今回の来日が実現した。

 今回、彼らは2日間、履正社の練習に参加した。この時期は、基礎体力作りなどに重点が置かれた練習が中心となる。また、当日は雪の影響も有り、グラウンド上での練習はできなかったので、グラウンドの周辺や室内での練習となった。そんな中で、今回は、体幹トレーニング、バトミントンのシャトルを使ったペッパー、目を鍛える運動など様々な練習を行った。ゴルカクルーのコーチたちにとっては、グラウンド以外でもできる練習はいろいろあることを学ぶ機会になったかも知れない。
 ゴルカクルーのコーチたちは履正社の選手たちとも打ち解け、言葉の壁はあるものの、野球だけではなくネパールのことなど、彼女たちといろいろと話をしていた。履正社のある選手は「短い間だったけど、一緒に練習できて良かった。いつか、ネパールのチームと対戦してみたい。」と話していた。また、来日したコーチのひとり、女性のヒム・クマリ・シングタニ氏は「ありがとうございました。来て良かったです。言葉の問題があって、あまり質問はできませんでしたが、勉強になりました。日本語も勉強したいです。」と述べた。

 最後に、履正社の橘田恵監督は「初めてネパール野球を見させていただきました。知っているつもりで知らない事に気づかせてくれる良い機会ともなり、こちらも学ばせてもらうことができました。ネパール野球にも課題は多いと思いますが、女子野球も同じ様な道を通ってきました。協力できるところは協力したいと思います。また、選手たちもネパールの皆さんと良くコミュニケーションが取れていて国際交流もできました。良い機会をありがとうございました。」と感想を述べた。

 履正社での練習のほか、4名はバット工房、グローブ工房、甲子園球場や阪神タイガースの自主トレーニングの見学も行った。短い間だったが、彼らは日本で多くの事を学んだ。「百聞は一見にしかず」と言うが、やはり、自分の目で見ることで学べる事は格段に多い。そして、来日したコーチのひとりで、2月の西アジア野球大会に出場するネパール代表選手でもあるスクリム・タパ氏は、「今回学んだ事を活かして大会で頑張りたい。」と意気込みを語っていた。

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