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"世界の野球"ヒマラヤを北に望む国ネパールの野球「アジア野球連盟審判講習会」

2022年12月28日

文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)

 去る11月27日から29日までの3日間、タイのバンコクでアジア野球連盟(以下、BFA)の審判講習会が開催された。BFAの審判講習会は、コロナ禍の影響があり、2019年にフィリピンのマニラで開催されて以来3年ぶりの開催となった。審判講習会には東南アジア、南アジアを中心に10か国から30人以上の審判員が参加した。世界での野球の発展には選手の育成・競技力向上ももちろん大切ではあるが、それと同様に審判員の育成も重要である。今回の審判講習会もそういった観点から開催されたもので、アジアの審判員のレベルアップを目的として行われた。

 今回の審判講習会にはネパールも参加の打診を受けていたが、ネパールの国内事情から参加を見送った。ネパールの審判事情に関して言えば、2013年にスリランカで西アジアの審判講習会が行われた際、ネパールからアビシェック・カリキ氏が参加したことがある。その後、アビシェック氏は2019年のBFA西アジア野球大会に審判員として参加している。ただ、私の知る限り、ネパールで審判の技術を学んだ者はアビシェック氏のほか数名のみである。野球が発展途上の国では、審判員の技術を学ぶ環境に恵まれておらず、その育成は選手以上に難しい面がある。

 ところで、今回の審判講習会には、BFA審判長の小山克仁氏や私たちとともに活動しているスリランカ出身の国際審判員であるスジーワ・ウィジャヤナーヤカ氏などが講師として参加した。両氏はともにネパールが出場したBFA西アジア野球大会でも審判団として参加している。小山氏は今回の審判講習会について、次のように述べている。「2019年の西アジア大会では、審判長として、各国の審判員のレベルを初めて見たのですが、審判としての役割を理解していないように感じたのです。審判は判定するだけ?と思われるようなグラウンドでの態度でした。西アジアの国は、野球を見様見真似でプレイすることはできる。しかし、一番大切な試合の最高責任者である審判の役割を理解していないように感じます。ただ判定する人と考えているようです。審判は、選手たちが試合をスムーズに行うことができるように、試合をルールに基づきフェアにコンダクトすることが求められています。今回の審判講習会でもそのあたりの理解を深めるようにしていきました。審判技術の向上は、その国の選手の技術レベルの向上につながっていきます。今回の審判講習会では、動画を用いて審判技術の基本を誰でも見て学べるようにしました。今後、BFAのサイトからもリンクして見られるようにしますので、動画を見て審判の役割の理解が進むように願っています」。

 また、スジーワ氏に関しては、ネパール野球の活動においても何度となく審判員として参加している。例えば、2014年にネパールの少年野球チームが来日した際には、前述のアビシェック氏も来日して大阪でスジーワ氏とともに親善試合の審判を務め、試合後には日本の審判員の皆さんから集められた審判道具がスジーワ氏からアビシェック氏に贈られた。また、2016年に前年のネパール大地震からの復興を支援するためにネパールで開催した「ネパール震災復興支援野球大会」においては、現地に赴いて審判を務めたり審判講習会を行ったりしている。(2016年5月2日付「ネパール復興支援野球大会」参照)

 スジーワ氏は、こう述べている。「私は日本で2007年から審判の勉強を始めて今日に至っています。審判には難しい事や厳しい事がたくさんあります。でも、やっていて楽しいですし、誇りを持って取り組んでいます。そして、試合を観ている人たちに喜んでもらえるととても嬉しいです。ネパールは今回の審判講習会に残念ながら不参加でしたが、私は2016年にネパール震災復興支援野球大会で審判講習会をしたことがあります。その時は100人近くの若者が参加し、私に積極的に質問するなど真剣に取り組んでいました。彼らの熱い眼差しを見て、アジアの野球を盛り上げるためにもネパール野球の発展が不可欠と感じました。難しい環境ではありますが、ネパール野球発展のためにも、ネパールの人たちがもっと審判のことを学ぶことができればと思います」。

 さて、2022年も間もなく終わろうとしている。厳しい世界情勢は続いているが、今回の審判講習会が3年ぶりの再開であったように、様々な事が再び動き始めた1年でもあった。そんな中で、ネパールは国内情勢もあってなかなか動き出せていないのが現状である。私たちは2023年も現地と向き合いながら活動を続け、ネパールを後押ししていく。「頑張れネパール!」

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